用語説明は電子情報技術産業協会(JEITA)で規定されているもの及び、当社で規定したものも含まれます
共通項目
- 一般
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- ポテンショメータ〔potentiometer〕
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精密可変抵抗器の一種でボリューム等より精密な測定をするために使用されています。使い方は、軸の機械的な動き(位置)を比例した電気信号(電圧)に変換する電気部品で、その出力は電源電圧に対して比例した分圧比(レシオ)として出力します。
基本的な接続は電源(+)、GND、出力(OUT)の3本線で、主にアナログの位置センサとして様々な用途に使われており、近年ではホールICを用いた接触刷子がない無接触ポテンショメータも多く開発されています。 - Orange Pot
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検出素子としてホール素子、ホールICを使用した当社の無接触ポテンショメータの総称で、銘板をオレンジで色別しています。素子がIC化されているため、抵抗値は測定できません。
ホールICは半導体素子であり、従来の接触式ポテンショメータと違い抵抗値の指定はもちろん、抵抗値の測定も出来ません。 - Blue Pot
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検出素子として磁気抵抗素子を使用した当社の無接触ポテンショメータの総称で、銘板をブルーで色別しています。
磁気抵抗素子は半導体素子であるため、抵抗値は素子の面積で決まってしまうために抵抗値の指定はできません。 - Green Pot
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検出素子としてコンダクティブプラスティック(導電性樹脂)エレメントを使用した当社のポテンショメータの総称で、筐体または銘板をグリーンで色別しています。ボリュームと同じように抵抗値の対応範囲が広いため、抵抗値のご指定が必要になります。
- 磁気式エンコーダ
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検出部にマグネットと磁電変換素子を使用したエンコーダの総称。
- 電磁誘導式エンコーダ
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検出部に巻線または回路パターンで形成したコイルを使用したエンコーダの総称。
- 機械的仕様
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- 機械角(ストローク)〔total mechanical travel〕
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機械的に動作が可能な角度(ストローク)。ストッパ等の機械的な終点がない場合、エンドレスとなります。
- トルク〔torque〕
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軸を回転させるのに必要な力であり、通常はランニングトルクで測定しています。
- フリクション〔friction〕
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直線形ポテンショメータで軸を動かす時に必要な力。
- ラジアル荷重〔radial load tolerance〕
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回転センサのシャフトに対し鉛直方向に加えられる最大荷重。
カタログ記載値はある条件下での値であり、過大な負荷をかける場合、破損したり出力や耐久性に影響がでる場合があります。シャフトに負荷が加わる場合はご相談ください。 - スラスト荷重〔thrust load tolerance〕
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シャフトの軸方向に加えられる最大荷重。カタログ記載値はある条件下での値であり、負荷をかける位置等によっては値が異なる場合があります。シャフトに負荷が加わる場合はご相談ください。
- シャフト長 [shaft length]
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取付側をL1、反対側をl2と呼び、L1はポテンショメータの取付面(取付けパネルの裏面)から軸の先端までを表しています。
【注意】見えている軸の長さではありません。
軸長の変更が必要な場合、取付パネルの厚みにご注意ください。
- 電気的仕様
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- 有効電気角(ストローク/傾斜角)〔effective electrical travel〕
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出力変化特性が得られる範囲で、製品ごとに決められた角度のことです。ストロークを検出する直線形では有効ストローク(mm)と表します。使用可能な角度範囲にある短絡部分については電気角とし、直線性の測定は短絡部を含みません。
また、無接触のBlue PotやOrange Potでは直線性を保証できる範囲となります。 - 電気角〔electrical travel〕
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出力が得られる角度またはストローク。この間に規定された出力が変化しない短絡部分も含めます。
- 直線性〔linearity/accuracy〕
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直線性は、ポテンショメータの精度を表すもので、基準直線と実測した出力電圧比特性の最大垂直誤差を表しますが、基準直線のとり方及び誤差の表し方には様々な定義があります。
誤差は有効電気角における基準直線の出力電圧比幅の百分率で表します。(%FS) - 単独直線性〔independent linearity〕
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使用する範囲が任意の位置である場合、その範囲での直線性を求めるのに適しています。
実際の出力において、直線に対する誤差が最小となるように基準直線を設定します。右のグラフでは実際の出力(赤線)のA点、B点との誤差が大きい場所となり、そのA点、B点の垂直偏差がもっとも小さく均等になるよう基準線を引く事が出来ます。
この定義は、ユーザでどの範囲を使用する場合においても、直線性が個々の特性バラつきに依存しない定義となります。 - 絶対直線性〔absolute linearity〕
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あらかじめ定められた機械的有効範囲における基準線に対する出力電圧の最大誤差で、ポテンショメータにとっては厳しい定義となります。
絶対直線性の基準線は、単独直線性の基準線と違って角度範囲に対して固定であるため、使用する範囲が基準線と異なる場合には、最大誤差は大きくなる場合があります。Orange製品の多くは絶対直線性で定義していますが、これは電気的特性を個々にプログラミングできることから採用しています。
有効電気角が特殊である場合、営業担当者にご相談ください。 - 基点直線性〔zero point based linearity〕
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傾斜形に用いる当社独自の定義で、機械的な角度0°(水平)の時の出力電圧を電気的な中点(基点)として両端振り分けで使用する場合の定義です。
基準線は角度0°(水平時の位置)の出力電圧比を基点とし、最大誤差となるA、B点の出力誤差が均等に最少となるよう基準線の傾きを変え、この基準線に対する最大出力誤差を百分率で表します。 - 総合精度〔total accuracy〕
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往復摺動における往時~復時の直線性誤差(再現性)、ヒステリシス、温度ドリフト等を総合した精度
- 分解能〔output resolution〕
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センサ、ポテンショメータの出力電圧比が変化する最小の値を表します。巻線形では、有効電気角における抵抗線の総巻数の逆数の百分率で表します。
Green PotやBlue Potの場合は分解能無限小のため、特に表記はしておりません。
Orange Potの場合はホールIC自体が持つ分解能力となり、印加電圧に対するbit数で表現しています。従って製品としての分解能は、出力範囲に応じて分解能力も比率が減ります。 - 直線性保証範囲 [Linearity guaranteed range]
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有効電気角度内で直線性を保証する範囲
- 絶縁抵抗〔insulation resistance〕
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電流が流れる電路において電流が漏れない性能のことをいいます。ポテンショメータに印可された電圧が、取り付けられたケースや軸を通して洩れていない程度を抵抗で表します。
なお、弊社当社製品の一部には静電気やノイズ対策部品(貫通コンデンサ 、バリスタ等)が入っている為ため、絶縁されていない製品があります。然しながらこれら製品は電源電圧が低い為ため、漏れ電流があってとしても微少で、人体への害はありません。 - 耐電圧〔directric strength〕
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規定する時間で絶縁破壊を起こさずに印加できる電圧。これ以上ケースや軸に電圧をかけると絶縁状態が破壊され、電流が流れてしまうという意味です。
- 温度特性〔temp.characteristic〕
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ある温度範囲内における出力電圧比の変化を、角度または長さに換算して表します。
特に規定のない場合25℃を基準温度とし、基準温度と高温側、低温側のいずれかの温度による最大の変化幅を表しています。 - 温度ドリフト〔temperature drift〕
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規定された温度範囲での出力への影響を角度(またはストローク)換算したものです。
- 定格電力〔rated dissipation〕
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連続して印加できる最大の許容電力で、抵抗値が決まれば印加できる電源電圧が求めることが出来ます。
- 負荷抵抗〔load resistance〕
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出力ライン側に接続された抵抗で、ポテンショメータ出力の受信機器側のインピーダンス(抵抗値)がこれに当たります。負荷インピーダンスとも言います。
- ヒステリシス〔hysteresis〕
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軸を回転(摺動)させ、再度反転して機械的に元の位置に戻した時に生じる出力誤差。
摺動刷子のばねたわみ性、傾斜形の様に板ばねやダンパーオイルを使用していたり、また使用するマグネットの残留磁気による影響による磁気ヒスなどを生じる場合があります。ギヤ付の場合にはバックラッシュ含みます。 - 再現性〔repeatability〕
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測定手順、測定者、測定システム、測定条件及び測定場所が同一で、短時間の繰り返し測定の結果から得られるばらつきの程度をいいます。
基点から軸を摺動させた後、反転して元の基点に戻る事とはちがい、反転後に一度基点を過ぎて(オーバーラン)から元の基点に戻した時、あるいは回転形では反転することなく同一方向に回して元の位置に戻した時の誤差となります。
- 環境仕様
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- 保存温度範囲〔storage temperature range〕
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保管時の温度範囲
- 寿命〔 life cycle〕
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ポテンショメータの耐久性を推し量る為ため、通常は無負荷の状態で摺動させ、出力が寿命の規定を超えない回数を表しています。正常に使用されているセンサ、ポテンショメータの性能は、ノイズの発生、直線性の劣化、抵抗値の変化、回転トルクの増大などに現れます。当社では常温・常湿で60~400rpmの低速回転で、次の条件に1項目でも達するまでの回転数で表します。
・全抵抗値の変化:初期値の10%
・直線性:規格値(普通級)の1.5倍
・回転トルク:規格値の1.5倍
・出力スムーズネス:規格値の1.5倍振動や微摺動、温度範囲やアウトガス等ご使用環境によって劣化が促進されることがあります。
なお、実際の使用上における寿命は負荷の回路状況や環境複合要素(温度変化、振動、軸への荷重等)の影響を受けるため、あくまでも目安となります。 - 振動〔vibration(sinusoidal)〕
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規定の振動条件(加速度、周波数、時間、方向)を与え、正常な出力が保たれるかどうかを判定します。振動試験中、軸回転はさせていません。従って試験条件下で常時ご使用できるという事ではありません。
- 衝撃〔shock〕
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規定の衝撃条件(加速度、時間、回数、方向)を与え、正常な出力が保たれるかどうかを判定します。従って試験条件下で常時ご使用できるという事ではありません。
- 密閉性〔 I P level 〕
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JIS C 0920の付属書で規定されている保護等級(IPコード参照)で表しています。 1桁目は異物、2桁目は水に対する等級を表しています。(記載のないものはIP43以下です。)
■第一特性数字で示される外来固形物に対する保護階級第一特性 保護階級 要約 定義 0 無保護 1 直径50mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている 直径50mmの球上の固形物検査用プローブの全体が侵入しないこと(注1) 2 直径12.5mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている 直径12.5mmの球上の固形物検査用プローブの全体が侵入しないこと(注1) 3 直径2.5mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている 直径2.5mmの球上の固形物検査用プローブの全体が侵入しないこと(注1) 4 直径1.0mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている 直径1.0mmの球上の固形物検査用プローブの全体が侵入しないこと(注1) 5 防じん形 じんあいの侵入を完全に防止することはできないが、器具の所定の動作及び安全性を阻害する量のじんあいの侵入がないこと。 6 耐じん形 じんあいの侵入がないこと (注1)外郭の開口部を、固形物調査用ポローブの全直径部分が通過してはならない。
■第二特性数字で示される水に対する保護階級 第二特性 保護階級 要約 定義 0 無保護 1 垂直に滴下する水に対して保護されている。 鉛直に滴下する水が有害な影響を及ぼさないこと。 2 15度以内で傾斜しても垂直に滴下する水に対して保護されている。 外郭が垂直に対して両側に15度以内で傾斜したとき鉛直に滴下する水が有害な影響を及ぼさないこと。 3 散水(spring water)に対して保護されている 垂直線から両側に60度までの角度で墳霧した水が有害な影響を及ぼさないこと。 4 水の飛まつ(splashing water)に対して保護されている 機器に対するあらゆる方向から飛まつによって有害な影響を及ぼさないこと。 5 噴流(water jet)に対して保護されている 機器に対するあらゆる方向からノズルによる墳流水によっても有害な影響を及ぼさないこと。 6 暴噴流(powerfull jet)に対して保護されている あらゆる方向から強力なジェット噴流の水が有害な影響を及ぼさないこと。 7 水に浸しても影響がないように保護されている 規定の圧力及び時間で外郭を一時的に水中に沈めたとき有害な影響を生じる量の水の浸入がないこと。 8 浸水状態での使用に対して保護されている 関係者間で取り決めた数字7より厳しい条件下で外郭を継続的に水中に沈めたとき有害な影響を生じる量の水の浸入がないこと。 試験条件としては軸の摺動はありません。
6ケース(シャフト)-端子間静電耐圧〔ESD(case to each terminal))
設置後のご使用状態における静電気耐性を意味し、外部で発生した静電気がセンサに接触することにより内部回路を通じてのリークに対する耐性です。
但し試験規格で定められた回数に対する耐性ですので、常時影響を受ける事が無いような配慮が必要です。
なお、当社では各製品構造上で素子にもっとも近接した金属部(軸など)に接触させて試験していますので、気中放電試験は実施していません。7端子間静電耐圧〔ESD(between each terminal)〕
センサの接続端子やリード線を通しての静電気に対する耐性で、取付や取扱上で発生する静電気に対する耐性を表します。
但し試験規格で定められた回数に対する耐性ですので、結線作業など取付け作業等では頻繁に影響を及ぼさない様に配慮が必要です。8電磁耐性(EMS)〔electro magnetic susceptibility〕
他の機器からの放射電磁界(外乱ノイズ)に対する耐性。出力電圧比の変動量で表し、放射電磁界は周波数範囲(Hz)と電界強度(V/m)で表わしています。数値が高ければ高いほど耐性があります。
当社では下記規格に基づいて試験を実施します。規格番号 試験名称 試験概要 ISO 11452-1 定義、全般 車載用電子コンポーネントに対するイミュニティー試験の原則、定義 ISO 11452-2 放射電磁界(電波暗室) 車載用電子コンポーネントに対するアンテナ照射イミュニティー試験 ISO 11452-3 放射電磁界(TEMセル) 車載用電子コンポーネントに対するTEM CELLイミュニティー試験 ISO 11452-4 バルク電流注入(BCI) 車載用電子コンポーネントに対するバルク電流注入イミュニティー試験 試験条件としては軸の摺動はありません。
- ケース(シャフト)-端子間静電耐圧〔ESD(case to each terminal))
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設置後のご使用状態における静電気耐性を意味し、外部で発生した静電気がセンサに接触することにより内部回路を通じてのリークに対する耐性です。
但し試験規格で定められた回数に対する耐性ですので、常時影響を受ける事が無いような配慮が必要です。
なお、当社では各製品構造上で素子にもっとも近接した金属部(軸など)に接触させて試験していますので、気中放電試験は実施していません。 - 端子間静電耐圧〔ESD(between each terminal)〕
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センサの接続端子やリード線を通しての静電気に対する耐性で、取付や取扱上で発生する静電気に対する耐性を表します。
但し試験規格で定められた回数に対する耐性ですので、結線作業など取付け作業等では頻繁に影響を及ぼさない様に配慮が必要です。 - 電磁耐性(EMS)〔electro magnetic susceptibility〕
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他の機器からの放射電磁界(外乱ノイズ)に対する耐性。出力電圧比の変動量で表し、放射電磁界は周波数範囲(Hz)と電界強度(V/m)で表わしています。数値が高ければ高いほど耐性があります。
当社では下記規格に基づいて試験を実施します。規格番号 試験名称 試験概要 ISO 11452-1 定義、全般 車載用電子コンポーネントに対するイミュニティー試験の原則、定義 ISO 11452-2 放射電磁界(電波暗室) 車載用電子コンポーネントに対するアンテナ照射イミュニティー試験 ISO 11452-3 放射電磁界(TEMセル) 車載用電子コンポーネントに対するTEM CELLイミュニティー試験 ISO 11452-4 バルク電流注入(BCI) 車載用電子コンポーネントに対するバルク電流注入イミュニティー試験 - 外部磁界の影響〔magnetic field effect〕
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マグネットを用いた無接触ポテンショメータは、外部から磁界(ソレノイドやモータ、マグネット等からの磁界漏れや、傍らに存在する大電流の電源ラインや磁性体等)により、センサ内部の磁束密度が変化し出力に影響を受ける可能性が有ります。
ポテンショメータについて
- 全抵抗値〔total resistance〕
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ポテンショメータの①-③端子間(両端端子間)における抵抗値の事です。
- 全抵抗値許容差〔total resistance tolerance〕
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全抵抗値に対して許容される誤差範囲の事。(当社では従来、抵抗値偏差としていました)
- 出力電圧比〔output ratio〕
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出力電圧比は出力電圧(Vout)と印加電圧(Vin)の比をいい、印加電圧の百分率で表します。
単位については、接触形(コンダクティブタイプ)の場合の出力電圧比は、%と表記しますが、無接触の場合は、%Vinと表記する事があります。 - 出力感度〔output sensitivity〕
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角度(又は長さ)当たりの出力電圧比の変化量を表します。
(例1)min2%Vin/10°
角度10°当り 2%~Vinの出力が得られます。
この製品が電気有効角が90°の場合は、18%~Vinの出力が得られる事になります。(例2)1.05~1.75%Vin/°
角度当り 1.05%~1.75%Vinの出力が得られます。 - 傾斜角感度〔tilt sensitivity〕
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傾斜形における傾斜角分解能の意味で、出力として読み取ることができる最小の傾斜角度を表します。
なお当社の傾斜形においては、ヒステリシスを含みます。 - 出力スムーズネス〔output smoothness〕
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入力には存在せず、電気的出力に発生する変動を、有効電気角にわたり、規定の微小区域ごとに測定し、印加電圧の百分率で表します。
出力の滑らかさを示したもので、抵抗体表面の平滑性、均一性に依存します。
当社では次の回路にて測定しております。(Green Potに適用)
この数値が大きくなるほど出力電圧が急激に変化し、変化幅が高くなるほど出力不安定になりやすくなります。 - 等価ノイズ抵抗〔equivalent noise resistance=ENR〕
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摺動における接触抵抗の変化の事で、しゅう動刷子(接点)を動かしたとき、接点抵抗の変化及び抵抗の不規則性が原因で発生する出力の変動を接触抵抗で表します。抵抗体が摩耗したり異物が介在したりすると等価ノイズ抵抗は増大し、出力への影響を及ぼす事があります。当社では次の回路にて測定しております。(巻線Pot.に適用)
- 抵抗温度係数〔temperature coefficient of resistance〕
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単位温度当たり(K)に変化する全抵抗値の割合。
(例)±400ppm/K=±400×0.0001%=±0.04 %/Kの変動がある - 短絡〔shorted segment〕
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ポテンショメータの抵抗をゼロオームとすることで出力電圧を変化させない部分。
電圧印加用の中間タップ(Bタップ)は、ターミナル部で約1~5°位の短絡を持っています。
なお、無接触ポテンショメータではクランプと称しています。 - ステマキ〔extra segment〕
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ポテンショメータの有効電気角範囲外で抵抗を持っている部分。①-②間の抵抗値をテスターなどで測るとステマキ部分でも抵抗は変化しますが、有効電気角外であることから電圧の変化はありません。
- インデックスポイント〔index point〕
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出力電圧比との関係を決定する規定された位置で、当社では角度0°と表記しています。
- 接触抵抗〔contact resistance〕
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接触形ポテンショメータで摺動刷子やスリップリング、またバネ等摺動部が接触していることで生じる抵抗。摩耗粉や異物が存在すると瞬間的に抵抗が高くなり、出力への雑音として影響することがあります。
- ローディングエラー〔loading error〕
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ポテンショメータの出力側に有限の負荷抵抗がかかると、次式で表される分だけ直線性が歪みます。
Emaxを極力小さくするためには、ポテンショメータの負荷インピーダンス(負荷抵抗値)は出来るだけ高くすることをお勧めします。 - 位相〔output phase〕
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複数の出力の意図的なズレ関係を規定します。
接触式のポテンショメータで、2連タイプ等の場合は通常は同位相となり、出力50%位置をインデックスとして合わせています。
また、180°位相とは、OUT1とOUT2の出力のスタート位置を180°ずらしたものです。 - 2出力誤差〔2 output difference〕
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2出力タイプで同じ機械角におけるOUT1とOUT2の出力の差、または和の基準値に対する誤差です。フェールセーフや自己診断用として使用する際は、ECUなどで常に二つの出力を比較しながら監視し、顕著な差が生じたときにエラー診断しますが、その時のセンサがもとより持っている特性誤差として明確にしています。
- クランプ出力〔output cramp〕
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無接触ポテンショメータにおける出力が平滑(変化しない)する部分の事で、有効電気角外の上限側、下限側に設定しています。
断線検出等をする場合は、仕様の取り決めが必要です。 - 入力インピーダンス〔input impedance〕
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Blue Potにおける全抵抗値の事。
- タップ〔tap〕
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接続端子の事。出力の中間位置に配置する場合に中間タップ、中でも中点位置に配置する場合にはセンタータップなどと呼びます。
- ステップ応答(時定数)〔step response time〕
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傾斜形において最大傾斜以上から急激に水平状態に戻したときの出力電圧が、最初に定常状態の63%(時定数)に達するまでの時間を表しています。
時定数値から出力が安定するまでの大まかな静定時間が計算できます。時間に対する出力変化
上記の式から時定数τが分かっている場合、出力変化量Eに達する時間tは次の式で計算可能です。
- ツイストエラー〔twisting error〕
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傾斜形における傾斜方向に対して取付のねじれ角の影響
- 傾斜形における傾斜方向Xに対する、Y軸傾斜時のX軸の出力への影響
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傾斜形における傾斜方向Xに対する、Y軸傾斜時のX軸の出力への影響
- 追従性〔following capability〕
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機械的な動きに対して出力電圧がどのくらい遅れるかを、回転速度等で表します。
回転形の軸のリターンスプリングや直線形のバックスプリング付の場合は、そのばねの追従性や、またホールIC等の演算速度等の影響も含みます。 - ディザー〔dither〕
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本来の軸の摺動動作以外に、機器にかかる連続的な振動や共振現象、ギヤのバックラッシュやアクチュエータの搖動等により軸の回転方向に伝わる微細なハンチング動作の事を指しています。それらは接触式ポテンショメータの耐久性に大きな影響を及ぼす場合があります。
エンコーダについて
- 出力形式
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シリアル通信の物理層の仕様を指す。例として、RS-232C、RS-422、RS-485などがある。
- 出力フォーマット
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シリアル通信の通信形式を指す。例として、SSI、SPI、ASIなどがある。
- 非同期式通信方式
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マスター(コントローラなど)とスレーブ(エンコーダなど)の通信において、マスターの動作に関係なくスレーブからパルスを出力する方式
- 同期式通信方式
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マスター(コントローラなど)とスレーブ(エンコーダなど)の通信において、マスターからのクロックに同期して、スレーブがパルスを出力する方式
- 出力更新周期
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エンコーダの内部で位置データを演算して確定する周期。これは、シリアルインターフェイスでデータを出力する周期とは異なります。
- CRC(巡回冗長検査(じゅんかいじょうちょうけんさ、英: Cyclic Redundancy Check,)
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誤り検出符号の一種で、主にデータ転送などに伴う偶発的な誤りの検出によく使われている。送信側は、入力されたデータ列をもとに一種の割り算に似た計算を行い、その余りをチェック用の値として追加した上で送信する。受信側では、受け取ったデータを元に同じ計算を行い、その結果をチェック用の値と比較してデータ破損の有無を判断する。